こんにちは、キノトロープ・代表取締役社長の生田です。

本連載では、Web担当者の皆様のお悩みに答えていきます。

今回の質問は以下です。

一番の問題は、今回の質問にあるように「上位表示=売上UP」という短絡思考であることは、間違いありません。

とにかくどんなキーワードでも、上位表示させることが目的になっており、手段が目的になっている状態とも言えます。

これに何か意味があるのでしょうか?

質問いただいた担当の方が理解されている通り、必要ないお客さまを集客したところで、本当の成果(ほとんどの場合、売上UP)に結びつくはずがありません

さらに、到底SEOとは呼べない“SEOもどき”のサービスを提供している多くのSEO会社が、このようないいかげんな営業トークでテレアポをしまくったり、広告を出しまくったりした結果が招いた惨状が、このような状況を招いている要因の1つともいえるでしょう。

何の成果も上がらない、ただキーワードの上位表示を維持するためだけに、コストが湯水のように使われて、サイトそのものやコンテンツ(情報)そのものを改修していくコストが、毎月のように失われていく…。

こんな業界の現状は、もはや憂うしかありません。

まっとうなSEOサービスを提供する会社やWeb制作会社にとっては、とても迷惑な話です。

SEOとは「Search Engine Optimization」(検索エンジン最適化)です。

本来は、検索エンジンが正しくWebサイトの内容を把握し、その情報を必要とする検索ユーザーに探してもらいやすくするための行為です。

逆に言えば、すでにWebサイトがありながら、あらためてSEOをやらなければいけないということは、そもそも、そのWebサイトに問題があるのではないでしょうか?

そして、Webサイトに問題があるのなら、SEOをしてもたいした成果が出ないのは当然です!

これまで多くのSEO会社が一生懸命に営業していたSEOとは、キーワードの上位表示と、たくさんのバックリンクを張るという施策が中心でした。

そのような施策は、すでに成果を出す(繰り返しになりますが、ほとんどの場合は売上UP)ための効果は小さくなっています。

さらに、度が過ぎる施策の場合、検索エンジンからのペナルティー受ける可能性もあります。

肝心なのはコンテンツ(情報)の質であり、そのコンテンツ(情報)のディレクトリ構造をパンくずナビで、きちんと検索エンジンに伝えることです。

加えて、今後は「オーソリティ」の有無も鍵になってきます。

その分野で権威のあるサイトからのリンクが評価対象であるのはもちろん、これからは執筆者そのものも評価対象になっていくと言われています。

Web担当者の皆様は、まずこの事実を理解しておかなければなりません。

Webサイトのリニューアルにおいて一番肝心なのは、インターネットからのユーザーの導線を確保することです。

つまり、Webサイトのリニューアルには本来SEOの考え方が含まれているべきなのです。

ユーザーの導線を考えることがWebサイトの情報設計の基本です。きちんと設計されたWebサイトには、後付けでSEOなど不要なはずです。

こんな当たり前のことを、いい大人に向かって何度も何度も説明しなければならないのは、非常につらいし、面倒だし、情けない!

自社のお客さまになる人、そして自社が問題を解決できるお客さまを集客することが、肝心であり、さらにそのお客さまに、自社の製品やサービスをソリューションとしてきちんと、理解してもらわなければ、成果につながるはずもありません。

単に、上位表示が可能な(自社に有効なお客さまかどうかは関係なく)キーワードで、上位表示させても、そこに何の意味もありません。

そんな順位に一喜一憂する時間があるのなら、自社のお客さまのニーズを考えて、お客さま最適化が可能なWebサイトそのものを検討するべきです。

上司に説明するためには、以下の3点が必要になります。

上記に記載したような本質的なSEOのことや、ユーザーニーズ最適化が必要な理由、つまり「ロジック」を準備しましょう。

例えばSEOでランディングしている場合、目的ページまでコンバージョンしていない等…。成果につながっていないことを証明できる明確な数字を準備しましょう。

ここで必要なのは、定量的な数値であることをお忘れなく。

この3つを提示しても、ダメな場合は「仲間づくり」をコツコツと行うこと
そして、周りの人が理解できるように、まずはあなた自身が説明できるスキルを習得しましょう

社内にSEOについて正しく理解している仲間が増えたら、何かが変わるはずです。

ほとんどの人がインターネットを有効に利用している現状では、ちょっとしたきっかけや気付きがあれば、理解を深めることができると思います。

とはいえ、粘り強い努力が必要なことは、言うまでもありません。

困ったことがあれば、またお問い合わせください。

まっとうなWebサイトにはSEOなど不要!検索エンジンよりもユーザーを思うべし!

公開してからSEOをしなければならないWebサイトなんて作るな!
Webサイトの立ち上げやリニューアルの時点で、ユーザーの検索ニーズやSEOをしっかりと考慮すべし!

「ロジック」「現状の定量的な数字」「定量的な数字を伴う仮説」で上司を説得せよ、さらに仲間を増やせ。

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