以前より、「SEO施策をして、検索の上位に上げてください」という依頼をよく聞きます。
ユーザーのニーズを考慮せず、とにかく上位表示させることに、はたして意味があるのでしょうか。
そもそも、すでにWebサイトがありながら改めてSEOをやらなければいけないということは、そのWebサイトに問題があるのではないでしょうか。
そのような小手先のSEO施策でコストをかけても、Webサイトとしての成果を得ることはできません。
重要なのは、雨漏りを直すのではなく、最初から雨漏りしない家を作ることです。
そのために必要になるのは、コンテンツの質(ユーザーの求める情報)とWebサイトの構造です。
今回は、ユーザーのニーズを満たすコンテンツの質についてお話しします。
本来SEOとは、その情報を必要とする検索ユーザーに探してもらいやすくするための行為です。
冒頭で述べた通り、コンテンツをやみくもに検索の上位に上げたところで、なんの意味もありません。
重要なのは、そのコンテンツを見たユーザーがどれくらい満足体験を得られるか。
そのためには「ユーザーのニーズに応え、良い体験を提供するコンテンツ」を作る必要があります。
大規模Webサイトであればなおさら、ユーザーのニーズは多岐に渡ります。
それをWebサイト制作の時点でしっかりと考慮すべきなのです。
ニーズの調査の手法の1つがキーワード調査です。
まずは関連性のあるキーワードを全量調査し、リスト化します。そしてカテゴリごとに分類・競合性の有無を洗い出します。
それらを複数キーワードに落とし込みます。ポイントは2ワード以上であること。1ワードの場合、検索意図を判断することができません。
検索意図とはユーザーの「知りたい」「やってみたい」「行きたい」「買いたい」など、どんな目的で検索したかのこと。それをもとにニーズの仮説を立てます。
最後に、ニーズは検索数から(月間500~1000件以上)、インターネット上の既存コンテンツの数は競合性から判断します。つまり、検索数が多く、競合性が低いキーワードは検索結果の上位に上げやすいということになります。
コンテンツ自体の読みやすさもユーザーの利便性向上には重要なことです。
読みやすい文章とは、「タイトル」「見出し」「本文」がしっかりと考慮されている文章構造であること。また、単なる見た目だけではなく、文章構造は検索エンジンにHTMLの構造として伝わっています。
大規模Webサイトであるほど、コンテンツを作る人数が増え、コンテンツごとに文章構造がバラバラになることも多々あります。
制作ガイドラインを準備しても、人の手で作る限り、見出しがないコンテンツが現れたり、文字数がバラバラだったりと、これを制御するのは簡単なことではありません。
そうなれば、ユーザーは、とても使いづらいサイトと感じるでしょう。
これをそろえるために、キノトロープにはコンポーネントという概念があります。
このコンポーネントを、サイト内で使いまわすことで、コンテンツの文章構造や文字数を規定でき、クオリティを担保したまま、コンテンツを量産することができます。
サイト内のコンテンツレイアウトを一定にすることで、ユーザーが分かりやすく、検索エンジンの評価も得られやすいWebサイトになるのです。
SEOとは検索エンジンをだまして上位表示させる施策ではなく、ユーザーにとって最適なコンテンツを作ることです。
必要ないユーザーを集客したところで、本当の成果に結びつくはずがありません。
肝心なのはコンテンツ(情報)の質であり、Webサイトに訪れるユーザーが何を求めているかを考慮したコンテンツを作り、初めからそれらを考慮したWebサイトを作ることが、これからのSEOとなります。